陰毛歯ブラシの話
陰毛歯ブラシ。
皆さんには聞き馴染みが薄いかもしれないが、政財界ではブラックカードに匹敵する権力の象徴として必需品となっている。古くは江戸時代から存在したとされ、権力闘争の裏で陰毛歯ブラシの歴史も紡がれてきた。
平成の現在、ある程度量産化が成された陰毛歯ブラシ。その中でも2011年ダントツ人気なのが「けいおん!」の面々の陰毛歯ブラシである。
今日は、そんな陰毛歯ブラシを作っている職人の仕事ぶりを皆さんに一部お見せしたいと思う。
おっと、その前にまず陰毛歯ブラシのメイン商品のおさらいをしておく。
まずは琴吹紬。この娘の陰毛は非常に柔らかいため、パッケージには(やわらかい)と表現される。
毛は細いがボリュームがあるため、歯磨き粉を少量付けるだけで大量に歯垢除去が可能。
質は良いが値段が高いため流通量自体はそんなに多くない。
次に秋山澪。この娘の陰毛は直毛であるが細く、また収穫量も少ないため細かい部位に使う専用陰毛歯ブラシとなる。
類稀な細さを利用した奥歯の歯垢除去が可能。他の娘の陰毛歯ブラシを持っていても奥歯用に1本確保しておくのが半ば常識となっている。
人気が高いため、陰毛収穫が滞ると死活問題。
次に田井中律。この娘の陰毛は固め。固めが好きな通な陰毛歯ブラシ愛好者、通称「隊員」と呼ばれるコアなファンが付いている。
模造品の弟型陰毛歯ブラシがたまに流通しているが、模造品であるもののその固さは本物に匹敵するため廉価版として重宝されている。
次に平沢唯。一番無難な固さ、癖の少ない陰毛で収穫量も多い。しかし不摂生な生活のためか非常に臭いが強く、他の陰毛歯ブラシに比べ売れ行きは芳しくない。
陰毛歯ブラシは脱臭してしまうと質が下がるためこれは避けられない問題である。
安さに惹かれ最初の陰毛歯ブラシ(いわゆるファースト陰毛歯ブラシ)を平沢唯にしてしまい、後日陰毛歯ブラシという製品全体に向けて批判的な態度を取る「にわか陰毛歯ブラシスト」が後を経たず、一時期社会問題となった。
現在は臭いの問題をクリアした平沢憂の陰毛歯ブラシが安定して流通しているため、そういった問題は減少している。
なお、平沢唯陰毛歯ブラシの臭いの愛好者も少なからず存在することはここに明記しておく。
最後に紹介するのは中野梓。固めだが癖のない陰毛。
後発の製品で目新しさを出すためか、形状を二房に分けるという改良が行われている。非常に日光に弱く、長時間日光を当てると変色してしまうため注意が必要。夜な夜な陰毛が伸びるという都市伝説があるが、取材班のほうでは確認が取れなかった。
現在人気のけいおん陰毛歯ブラシ製品の説明は以上となる。
さて、次こそ職人の工程である。
陰毛歯ブラシ職人の朝は遅い。昨晩仕込んだ陰毛が朝11時にしか生えそろわないからだ。
工程の前段階として、昨晩の20時に陰毛成長促進剤を注射する。
この陰毛成長促進剤が開発される昭和30年頃までは、生えそろうまで非常に長い期間を必要とするため、江戸、明治までは天皇等の最高権力を持った人々にしか陰毛歯ブラシは所持を許可されていなかった。
陰毛成長促進剤を注射した弊害として、素体が発情し切ない鳴き声を上げるが、処女膜を失ってしまうと毛質が変化してしまうため、陰核への刺激までに留める。最近だとかんなぎ陰毛歯ブラシの回収騒ぎや、古くは下級生2陰毛歯ブラシ回収暴動はは有名。
陰毛成長促進剤注射翌日の朝11時に、生え揃った陰毛を丁寧に剃毛する職人。表情はとても真剣で険しい。万が一素体に傷をつけた場合、禁固1クール(3ヶ月)と法律で定められている。
剃毛後の陰毛は富士山麓の湧き水に浸され、洗浄される。水と言えど多少の脱臭効果があるため、洗浄は最低限に留める。
洗浄された陰毛を丁寧に切り揃え、最高級樫で作られた陰毛歯ブラシの基礎部分に植毛する。
一本一本丁寧に植毛する様はまさに職人。陰毛は縮れて加工が難しいためこの植毛の工程は非常に難しく、現在日本に陰毛歯ブラシ植毛資格を持つ職人は42名しかいない。
植毛された陰毛歯ブラシは2週間乾燥させた後、目視による検品を一つ一つ行い出荷される。
検品で不良品とされた製品は焼却処分され陽の目を見ることは無い。これは昭和後期に制定された制度らしいが、厳密な理由はわかっていない。
陰毛歯ブラシ職人歴35年のベテランM氏は語る。
「陰毛歯ブラシってのはぁ…完璧じゃなきゃいと……ペロペロできなきゃ…意味が無いんだァ」
”ペロペロ”という専門用語の意味は取材班には全く説明されなかったが、職人の間では常識らしい。流石は陰毛歯ブラシ、奥深い。
陰毛歯ブラシ作成作業は17時までぶっ通しで行われる。その後食事を取り、陰毛成長促進剤を注射後、発情した個体の処理を行い。就寝する。
いや、就寝しない。
深夜アニメを見るためだ。なるほど、先程の1クールの禁固刑の厳しさが取材班にも理解できた。
最後に取材班はM氏にこんな質問をした。
「何故、こんなバカな文章書いた」
「脅されて…。(参考URL: http://twitter.com/exile41 )
おわり
※この文章はフィクションです。特定の個人、法人には関係有りません。あなたがそれを信じない限りは……。